Denodo 8.0 更新プログラム 20210209 の新機能¶
ここでは、Denodo Platform の更新プログラム 8.0 20210209 に追加された主な拡張機能を紹介します。
拡張機能について解説した動画も公開しています。
拡張機能とバグ修正の完全なリストについては、 サポートサイト または更新プログラムの zip ファイル内にあるリリースノートを参照してください。
Virtual DataPort
Virtual DataPort のメタデータを保存する新たなデータベースのサポートを追加。追加されたのは、Azure SQL、Amazon Aurora (MySQL エディションおよび PostgreSQL エディション)、PostgreSQL 11 および PostgreSQL 12 です。完全なリストについては、管理ガイドの「 外部データベースへのメタデータの保存 」を参照してください。
新しい関数 LOCALTIMESTAMP 。この関数は、現在のタイムスタンプ (
timestamp
型の値) を返します。これまで、現在のタイムスタンプをtimestamp
型で取得するには、以下を実行する必要がありました。CAST (CURRENT_TIMESTAMP AS TIMESTAMP WITHOUT TIME ZONE)
Denodo では、上記の式を利用する場合と比較して、より多くのデータベースにこの新しい関数を委任できるため、こちらの使用をお勧めします。
以下のいくつかの領域でパフォーマンスが強化されました。
コストオプティマイザーで、大きなビュー階層に対する結合の順序を変更する操作。
実行エンジンで、データベースに完全に委任された複雑なクエリの実行プランを作成する操作。
GET_ELEMENTS ストアドプロシージャ。多数の基本ビューを扱うと、明らかな効果が見られます。
各ビューの外部キーを返す、 GET_FOREIGN_KEYS ストアドプロシージャ。
ビューの新規作成。
メタデータのエクスポート。多数のエレメントをエクスポートすると、明らかな効果が見られます。
多数の基本ビューを持つデータベースを削除する操作。
Virtual DataPort (データソース)
新たなデータベースのサポートを追加。追加されたのは、Amazon Aurora (MySQL エディションおよび PostgreSQL エディション) です。
Oracle Essbase に関する対応。これまで、Essbase のイントロスペクションを実行するユーザーアカウントには、Essbase の「マネージャー (データベース)」権限が必要でした。現在は、この権限が不要になるように Virtual DataPort を構成できるようになりました。この更新プログラムでは、この機能はデフォルトで無効になっています。有効化する手順については、「 Essbase 11 アダプターの要件 」を参照してください。
Virtual DataPort (キャッシュエンジン)
新機能の ダイレクトロード 。キャッシュエンジンは、以下の条件をすべて満たす場合に、 ダイレクトロード を使用してキャッシュデータベース内の適切なテーブルに「Denodo を経由せず」データを直接転送します。
データが単一の JDBC データソースから取得される。
キャッシュエンジンが上記のデータソースを使用するように構成されている。
クエリ全体がデータベースに委任されている。
データベースが
INSERT INTO SELECT
ステートメントをサポートしている。
この拡張機能は、リモートテーブルおよびサマリの読み込みや、
INSERT INTO
ステートメントの実行にも適用されます。このシナリオでは、この拡張機能により、パフォーマンスが大幅に向上します。データをデータベースから Denodo に転送したり、同じデータベースに返したりする必要がなく、Denodo がデータを処理する必要もないからです。
詳細については、「 実行時の Full キャッシュモード 」を参照してください。
新たなキャッシュデータベースのサポートを追加。追加されたのは、Amazon Aurora (MySQL エディションおよび PostgreSQL エディション) です。 データの一括読み込み API を使用したデータの読み込みもサポートに含まれます。この API を使用すると、データのキャッシュプロセスが高速化されます。
Virtual DataPort (Denodo によって公開される Web サービス)
REST Web サービスの OpenAPI (Swagger) の定義に、Web サービスによって公開されるビューのすべてのフィールドが追加されました。以前の定義に含まれていたのは、$select、$count、$start_index など、構成パラメータのみでした。
Denodo OData サービス でラムダ演算子の「ANY」がサポートされました。この演算子の定義については、「 OData 4.0 の仕様 」を参照してください。
Virtual DataPort (Administration Tool)
([Model] タブの) 結合ビューを作成するダイアログが以下のように改善されました。
結合ビューにビューを追加する際、Administration Tool では、ビューのアソシエーションに基づいて、追加可能なビューが提案されるようになりました。この提案は [Associated views] ラベルの横に表示され、ビューをクリックするだけでビューを自動的に追加できます。
結合ビューを定義する際、2 つのビューを追加する場合に、これらのビューの間にアソシエーションが存在すれば、Administration Tool によって結合条件が自動的に作成されます。結合条件は、アソシエーションの 条件マッピング と同じになります。
これらの 2 つの拡張機能は、Design Studio にも追加されました。
Virtual DataPort (Design Studio)
ロードマップに従い、Administration Tool から、さらに多くの機能が Design Studio に移植されました。
ビューの 実行プラン オプションでデータの移動を構成できるようになりました。
JDBC および ODBC データソースの ソース構成 を構成できるようになりました。
バージョン管理システムでは新たに、グローバルエレメントのプル、元に戻す、破棄、管理の各操作を実行できるようになりました。
Virtual DataPort (JDBC ドライバー)
Denodo JDBC ドライバーと Denodo ODBC ドライバーで、OAuth 認証がサポートされました。これらのドライバーにより、OAuth を使用して Denodo に接続するための 2 つの経路が提供されます。どちらを選択するかによって、特定のパラメータまたはその他をコネクション文字列に追加する必要があります。
経路 1: アクセストークンを提供する認証。クライアントアプリケーションは、OAuth アクセストークンを取得し、それをドライバーに渡します。その後、ドライバーはユーザー/パスワードの代わりにこのトークンを使用して、Virtual DataPort に接続します。
経路 2: リソース所有者のパスワード資格情報 を使用する OAuth 2.0。クライアントアプリケーションに OAuth トークンを取得する機能がない場合、ドライバーがアプリケーションの代わりにトークンを取得できます。つまり、アプリケーションがコネクションを開くと、ドライバーが指定された ID プロバイダーに接続し、OAuth トークンを取得します。その後、ドライバーはこのトークンを使用して Virtual DataPort に接続します。
OAuth 認証の有効化と、JDBC コネクションを構成して OAuth を使用する手順の詳細については、「 OAuth 認証 」(管理ガイド) を参照してください。
この機能を使用するには、この更新プログラムのドライバーを使用する必要があります。8.0 GA のドライバーは使用できません。
JDBC ドライバーで、自動生成された値の取得がサポートされました。多くのデータベースには、行が挿入されると値を自動生成するメカニズムがあります。たとえば、挿入された行のプライマリキーの値が生成されます。
Statement.getGeneratedKeys()
メソッドは、自動生成された各値の列を含むResultSet
オブジェクトを返します。Denodo を使用して行を挿入する場合、Denodo は、基盤となるデータベースから自動生成された値の取得を試みます。このメカニズムは、行が実際に挿入されたデータベースに依存するので、基盤となるデータベースが自動生成された値を提供しない場合、ドライバーでもこのような値を提供することはできません。JDBC ドライバーで、日付リテラルおよび時間リテラルに対する JDBC エスケープ構文 がサポートされました。日付リテラルの場合は
{d 'yyyy-mm-dd'}
、タイムスタンプの場合は{ts 'yyyy-mm-dd hh:mm:ss.f . . .'}
、時間リテラルの場合は{t 'hh:mm:ss'}
です。たとえば、JDBC ドライバーで Denodo に接続する場合、次のようなクエリを実行できます。SELECT * FROM order WHERE order_date >= {d '2020-01-01'}
この拡張機能により、サードパーティアプリケーションとの互換性が向上します。
JDBC ドライバーで、URL「jdbc:denodo」がサポートされました。たとえば、「jdbc:denodo://denodo-server.acme.com:9999/admin」のように表記できます。接頭辞の「jdbc:vdb」もサポートされ、下位互換性を確保しています。
Virtual DataPort (ODBC ドライバー)
Denodo ODBC ドライバーで、OAuth 認証がサポートされました。この機能は、JDBC による OAuth 認証と同様です (上記参照)。
この機能を使用するには、この更新プログラムのドライバーを使用する必要があります。8.0 GA のドライバーは使用できません。
この更新プログラムに含まれる Denodo ODBC ドライバーにより、接続するデータベースで [Allow only Kerberos authentication for ODBC/ADO.NET authentication] オプションを有効にしなくても、Kerberos 認証を使用して Denodo へのコネクションを開けるようになりました。このメリットとして、各 ODBC アプリケーションでは、データベースに接続するためにユーザー/パスワードまたは Kerberos 認証のどちらを使用するかを選ぶことができます。この選択は、DSN で構成できるようになりました。
この機能を利用するためには、クライアントアプリケーションで、この更新プログラムの ODBC ドライバーを使用する必要があります。
この機能は、PostgreSQL ODBC ドライバー (Tableau など) や古いバージョンの Denodo ODBC ドライバーを使用するクライアントアプリケーションにはメリットがありません。アプリケーションがこれらの条件を満たしていても、Virtual DataPort の ODBC インターフェイスで Kerberos 認証を使用するには、データベースで [Allow only Kerberos authentication...] を有効にする必要があります。
詳細については、「 古いバージョンのドライバーを使用して ODBC コネクション用の Kerberos 認証を有効にする 」を参照してください。
Virtual DataPort (オペレーションとセキュリティ)
CyberArk Enterprise Password Vault から資格情報を取得するように JDBC データソースを構成できるようになりました。主なメリットとして、JDBC データソースのサービスアカウントを Denodo に保存するのを回避できます。さらに、サービスアカウントの資格情報が Denodo に保存されないため、資格情報のローテーションが容易になります。
Denodo 8.0 の今後の更新プログラムでは、さらに多くのパスワード保管方法のサポートを追加する予定です。
Data Catalog
Amazon Aurora (MySQL エディションおよび PostgreSQL エディション) に Data Catalog のメタデータを保存するサポートが追加されました。メタデータの保存に使用できる データベースのリスト を参照してください。
Web サービスの概要 には、他の項目に加えて、Web サービスに接続するための URL が表示されます。管理者は、この URL 、具体的にはホスト名とポートをカスタマイズできるようになりました。この改善は、Data Catalog のホスト名が Virtual DataPort のホスト名とは異なるような、複雑な環境で有用です。
この URL をカスタマイズする方法については、 管理 > 設定 > パーソナライズ のページに移動して、Web サービス URI を見つけてください。
Scheduler
Azure SQL および Amazon Aurora (MySQL エディションおよび PostgreSQL エディション) に Scheduler のメタデータを保存するサポートが追加されました。
Scheduler ジョブが失敗した場合に通知を送るように、Scheduler ジョブを構成できるようになりました。「 ハンドラーセクション 」(Scheduler 管理ガイド) を参照してください。
Solution Manager
リビジョンの新しい作成オプション Include users and privileges が追加されました。有効にすると、リビジョンのエレメントに関連する権限がリビジョンに追加されます。内容を以下に示します。
エレメントを所有するユーザー/ロール、または、リビジョンのエレメントに対する権限を付与されたユーザー/ロールを作成するステートメント。
ユーザー/ロールにリビジョンのエレメントに対する権限を付与するステートメント。
高可用性モードで実行するように Solution Manager Administration Tool を構成できるようになりました。
Oracle 18 および 19c に Solution Manager の設定とメタデータを保存するサポートが追加されました。以前のバージョンの Oracle ではすでにサポートされています。メタデータの保存に使用できるデータベースのリストについては、「 外部データベースの設定 」を参照してください。
ドキュメントのリリースノート
このマニュアルでは、今後、 Kerberos 認証の設定 プロセス時に、Denodo のユーザーアカウントを複数の SPN に関連付けることはできないという管理者向けの情報は記載されません。この要件は必須ではなくなりました。
非推奨機能に関する情報
この更新プログラムのリリースにより、非推奨として指定された機能はありません。
「 Denodo Platform 8.0 で非推奨となった機能 」も参照してください。