USER MANUALS


Denodo 8.0 更新プログラム 20210715 の新機能

ここでは、更新プログラム 8.0 20210715 に追加された主な拡張機能を紹介します。

この更新プログラムに含まれる拡張機能を解説した動画も公開しています。

拡張機能とバグ修正の完全なリストについては、 サポートサイト または更新プログラムの zip ファイル内にあるリリースノートを参照してください。


Data Catalog

この更新プログラムには、大きく改良された新しいバージョンの Data Catalog が含まれています。主な更新内容は、新しいユーザーインターフェイス、ビューと Web サービスの推奨、ユーザーどうしのコラボレーションなどです。

重要

この更新プログラムをインストールする前に Data Catalog からすべてをエクスポートし、インストール後にインポートし直してください。詳細については、「 8.0GA または 8.0u20210209 からのアップグレード 」を参照してください。

AI & レコメンデーション フューチャー パック を導入している場合、Data Catalog はユーザーの過去の行動を基に個人に合わせた推奨を行います。

  • Oracle 18c と 19c に Data Catalog のメタデータを保存するサポートが追加されました。メタデータの保存に使用できる データベースのリスト を参照してください。

  • Data Catalog の REST API に 検索機能 のクエリ操作が追加され、他のアプリケーションに検索機能を統合できるようになりました。この API の呼び出し方法を確認するには、API のビジュアライザ (https://denodo-server.acme.com:9443/denodo-data-catalog/swagger-ui.html#/search) を開いてください。

すべてのコンポーネントに共通する内容

Red Hat ビルドの OpenJDK バージョン 11 で Denodo Platform と Solution Manager の実行をサポートするようになりました (インストールガイドの「 サポートされている Java Runtime Environment (JRE) 」を参照)。

Virtual DataPort

  • サマリの自動推奨: Denodo Platform 8.0 に新機能「 スマートクエリアクセラレーション 」が追加されました。この機能には新しいタイプのビューである サマリ を使用します。また、この機能パックには AI によるアシスタント 機能が含まれます。これは人工知能を使用して過去のクエリを分析し、クエリアクセラレーション用の新しいサマリを推奨する機能です。

  • ビュー、サマリビュー、リモートテーブル、一時テーブルのキャッシュを増分読み込みできるようになりました。つまり、実行エンジンがデータソースやターゲットテーブル (キャッシュテーブルやサマリビューのテーブルなど) からデータを取得し、新しい行の挿入や既存の行の更新を行います。他のデータベースでは UPSERT と呼ばれる機能です。

    「sales」ビューのキャッシュを増分読み込み
    -- With "maching_pk", the cache engine uses the values of the primary key to
    -- identify which rows of the cache table have to be inserted and which
    -- ones have to be updated.
    
    SELECT *
    FROM sales
    WHERE sale_date > '2020-08-01'
    CONTEXT('cache_preload'='true', 'cache_invalidate'='matching_pk')
    
    サマリビュー、リモートテーブル、または一時テーブルの内容を更新
    -- This query uses the fields of the primary key of the view to detect
    -- rows that need to be updated and not inserted
    
    INSERT INTO customers_2020
    ON DUPLICATE KEY UPDATE
    SELECT * FROM all_customers WHERE entry_date > '2020-01-01'
    
    サマリビュー、リモートテーブル、または一時テーブルの内容を更新
    -- This query uses the field "customer_id" to detect duplicate rows
    
    INSERT INTO customers_2020
    ON DUPLICATE KEY (customer_id) UPDATE
    SELECT * FROM all_customers WHERE entry_date > '2020-01-01'
    
  • 新しい関数 LOCALTIME: この関数は現在時刻 (時、分、秒) を time 型の値として返します。これまで、現在時刻を timestamp 型で取得するには、次の関数を実行する必要がありました。

    CAST(CURRENT_TIMESTAMP AS TIME WITHOUT TIME ZONE)
    

    Denodo では、上記の式を利用する場合と比較して、より多くのデータベースにこの新しい関数を委任できるため、こちらの使用をお勧めします。

    この関数は、 CURRENT_DATE (localdate)、 LOCALTIMESTAMP (timestamp)、 CURRENT_TIMESTAMP (timestamptz) といった関数を補完します。

  • 複数の領域でパフォーマンスが強化されました。

    • クエリがデータベースに委任できない関数を使用しており、その関数がフィールドを参照していない場合、実行エンジンが関数を評価して、結果をデータベースに委任します。これにより、一部のクエリの委任が改善されます。さらに、実行時間が大幅に短縮される場合があります。

    • クエリの自動簡素化 のプロセスが高速化しました。対象はリモートテーブルの作成と、管理者ではないユーザーによる 列権限 または 行制限 を持つビューに関連したクエリの実行です。

    • 大量の JOIN 操作を伴うクエリの実行プランを選択した場合の、コストベースの最適化がより効果的になりました。

Virtual DataPort: データソース

  • SAP HANA 2.0 データベースのサポートが追加されました (キャッシュデータベースとしてもサポートします)。このデータベースのシステムテーブルにクエリを実行することで、データソースに統計情報を取得できます (「 各ベンダーのシステムテーブルから収集される統計情報 」を参照)。コストベースの最適化が有効な場合、取得した統計情報を用いて最適な実行プランを導き出します。

  • 以下のデータベースのシステムテーブルから統計情報をデータソースに取得できるようになりました。

    1. Hive

    2. Google BigQuery

  • Oracle Essbase: Denodo 8.0 GA (更新プログラム未適用) で Essbase のインスペクションを行うには、ユーザーアカウントに「マネージャー (データベース)」の権限が必要でしたが、不要になりました。この機能は過去の更新プログラム (8.0u20210209) に含まれますが、デフォルトでは無効になっていました。このバージョンからデフォルトで有効となります。

  • SAP に接続する多次元データソースが、クエリを実行するユーザーに代わって SAP ログインチケットを取得できるようになりました。その目的は、サービスアカウントを使用する代わりに、最終ユーザーの代理として SAP 上でクエリを実行することです。

Virtual DataPort: キャッシュエンジン

サポートするキャッシュデータベースが追加されました。

  • Google BigQuery

  • SAP HANA 2.0

Virtual DataPort: Denodo によって公開される Web サービス

  • RESTful Web サービスのインデックスページに Virtual DataPort のデータベースの一覧が表示されるようになりました。これまでは、ウェルカムメッセージしか表示されていませんでした。http://denodo-server.acme.com:9090/denodo-restfulws/ から、データベースの一覧を確認できます。

  • REST Web サービスが OpenAPI ドキュメントバージョン 3.0 を提供するようになりました。このドキュメントには REST Web サービスの解説が含まれており、このような Web サービスとやり取りするアプリケーションの開発に役立ちます。なお、REST Web サービスはすでに OpenAPI 2.0 ドキュメントを提供しています。詳細については、管理ガイドの「 OpenAPI/Swagger 」を参照してください。

Virtual DataPort: Design Studio

ロードマップに従い、Administration Tool から、さらに多くの機能が Design Studio に移植されました。

  • ユーザーとロール: ユーザーとロールの管理や、権限やロールの付与などを行えるようになりました。

  • バージョン管理システムの統合 (VCS): VSC が Subversion または Microsoft TFS の場合に、ユーザーがチェックインとチェックアウトを行えるようになりました。なお、すでに前回の更新で、Git から行う機能が追加されています。

Virtual DataPort: オペレーションとセキュリティ

  • 以下のパスワード保管方法を利用して資格情報を取得するように、JDBC データソースを設定できるようになりました。

    • AWS Secrets Manager

    • Azure Key Vault

    • CyberArk Vault (前回の更新で追加済み)

    • HashiCorp Vault

    パスワード保管方法を使用する最大のメリットは、JDBC データソースのサービスアカウントを Denodo 上に保存せずに済むことです。さらに、Denodo が必要に応じて自動的に保管場所からサービスアカウントの資格情報を取得するため、資格情報のローテーションが容易になります。詳細については、「 資格情報保管方法 」を参照してください。

  • Denodo Monitor:

    • Denodo Monitor が AWS S3 にログを保存するようになりました。

    • Oracle または SQL Server にログを保存するように Denodo Monitor を設定した場合、Denodo Monitor は Kerberos 認証を使用して、これらのデータベースに接続します。

    本機能を有効化する方法については、「 Denodo Monitor の構成 」を参照してください。

  • セキュリティ上の理由により、Denodo の Web コンテナー (Apache Tomcat) は OPTIONS メソッドを使用した HTTP リクエストを拒否します。初期の更新プログラムでは OPTIONS メソッドが許可されていましたが、OPTIONS メソッドがもたらす情報を攻撃者が悪用して、このサーバーに関する追加情報を取得するおそれがあるため、変更されています。ただし、CORS メカニズムを使用するには、サーバー (つまり、Denodo の Web コンテナー) で OPTIONS メソッドを許可し、所定の情報を提供する必要があります。

    CORS を使用する場合は、管理ガイドの「 CORS の初期設定 」に記載された手順に従ってください。

Scheduler

  • Virtual DataPort の「サマリ」の読み込みと更新を行う新しいジョブタイプが追加されています。

  • HTTP Basic 認証を使用して、アプリケーションを Scheduler の REST API に接続できるようになりました。

  • Oracle と SQL Server にメタデータを保存するように Scheduler を設定する際、Kerberos 認証による接続を使用できるようになりました。

Solution Manager

OData サービス

OData サービスが実行するメタデータクエリの数が減少し、このサービスに対するリクエストのパフォーマンスが向上しました。

ドキュメントのリリースノート

  • Denodo のインストール時に (Virtual DataPort で) SSL を有効化している場合、接続 URL にパラメータ ssl=true を追加することをお勧めします。つまり、JDBC ドライバーを使用して Denodo に接続するアプリケーション上で定義された接続 URL です。以下に例を示します。

    jdbc:denodo://denodo-server.acme.com:9999/customer360?ssl=true&queryTimeout=100000&chunkTimeout=1000&userAgent=myApplication
    

    このプロパティを「true」に設定することで、ドライバーが最初から SSL 接続を試みるようになります。設定されていない場合、ドライバーはまず非 SSL 接続を試みます。サーバーで SSL が有効化されている場合は接続に失敗するため、即座に SSL 接続の確立を試みます。

    Administration Tool でも同じオプションを有効化することをお勧めします。[Tools] メニュー > [Admin Tool Preferences] をクリックし、[Connection] をクリックしてから [Use only SSL communications] を選択してください。

    特にクラウド環境では、ローカルネットワークと比べてクライアントアプリケーションと Denodo 間の接続が低速であるため、このパラメータを「true」に設定することが有効です。このパラメータは 8.0 GA や 更新プログラム 7.0 の時点から存在していましたが、今後は可能な限り使用することをお勧めします。

非推奨機能に関する情報

この更新プログラムのリリースにより、非推奨として指定された機能はありません。

Denodo Platform 8.0 で非推奨となった機能 」も参照してください。

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