アップグレードの準備¶
ここでは、Denodo Platform バージョン 8.0 へのアップグレードを始める前に完了する必要のある作業について説明します。この中には、Denodo Platform の外で行う作業や、組織の他のチームの協力を必要とする作業もあります。
使用しないモジュールの作業は省略できます。
すべてのモジュールに共通する作業¶
Kerberos¶
以下の点を確認します。
Denodo Platform コンポーネント (Virtual DataPort や Scheduler など) または Solution Manager のいずれかで Kerberos 認証が有効になっているか。
かつ 、新しいバージョン (バージョン 8.0) のコンポーネントのいずれかが、以前のバージョンとは異なるホスト名を使用して アクセスされる か。
上記の条件がすべて満たされている場合、Active Directory に新規サービスアカウントを作成し、その サービスプリンシパル名 (SPN) を定義して、新規アカウントの Kerberos keytab を生成する必要があります。
バージョン 7.0 と同じコンピュータに新しいバージョンをインストールする場合、サービスアカウント、同じ SPN、同じ keytab を再利用できます。
たとえば、Denodo 7.0 で、4 つの Denodo サーバーから構成されるクラスタと、ロードバランサーのホスト名を使用してそのクラスタに接続するクライアントアプリケーションがあるとします。この場合、 サービスプリンシパル名 (SPN) は、ロードバランサーのホスト名に一致します。新しい Denodo Platform を別々のコンピュータにインストールしても、これらがロードバランサーで定義されたのと同じホスト名を使用してアクセスされる場合、何も行う必要はありません。つまり、サービスアカウント、同じ SPN、同じ keytab を再利用できます。
注釈
この時点では、Denodo 8.0 の新しいインストール環境で Kerberos 認証を 有効にしないでください 。アップグレードプロセスの途中で Virtual DataPort 7.0 のメタデータと設定をエクスポートしますが、これには Kerberos の構成と Kerberos の keytab 自体が含まれています。後続の手順でこれをすべてバージョン 8.0 にインポートし、この構成を確認します。
Virtual DataPort¶
Virtual DataPort: キャッシュエンジン用のカタログ/スキーマの選択¶
Virtual DataPort のキャッシュエンジンを使用する場合、次の 2 つのオプションがあります。
Denodo Platform 8.0 のキャッシュデータベース用に新しいカタログ/スキーマを作成する。
すでに使用しているのと同じキャッシュデータベース用のカタログ/スキーマを使用する。
Virtual DataPort 8.0 には、 7.0 で作成したキャッシュデータベースとの互換性があります。
重要
バージョン 6.0 からアップグレードする場合、新しいカタログ/スキーマを作成する必要があります。バージョン 8.0 用に再利用することはできません。
オプション a のメリット
キャッシュデータが分離されているため、Virtual DataPort 7.0 と 8.0 を同時に実行できます。
オプション a のデメリット
キャッシュデータベースに新しいカタログ/スキーマを作成する必要があります。これにより、かなりの容量のディスク領域が使用される場合があります。
再度キャッシュにデータを取り込む必要があります。ただし、データ量が比較的少ない場合には問題になりません。
オプション b のメリット
カタログ/スキーマを作成する必要がありません。
再度キャッシュにデータを取り込む必要がありません。大量のデータを扱う場合には大きなメリットとなります。
オプション b のデメリット
Virtual DataPort 7.0 と Virtual DataPort 8.0 を同時に実行できません。
両方のバージョンを同じキャッシュデータベースに同時に接続することができ、キャッシュされているデータは、引き続き有効かつアクセス可能です。アップグレードプロセスの途中で 8.0 にメタデータをインポートした後、Virtual DataPort 7.0 をシャットダウンし、 8.0 を起動すれば、キャッシュされたデータが引き続きアクセス可能であることを確認できます。
オプション b を選んだ場合、以下を考慮してください。
メタデータを 8.0 にインポートした後で、 7.0 を使用してキャッシュデータベースへの変更を伴う操作を 行わないでください 。これにより、キャッシュを使用するクエリが失敗する可能性があります。たとえば、キャッシュされたビューの構造の変更 (フィールドの追加、変更、ビューからの削除)、ビューのキャッシュの有効化/無効化、ビューのキャッシュモードの変更、などです。これは、Virtual DataPort 8.0 では、このような変更が認識されないためです。
両方のバージョンが稼動する時間を最小限にしてください。これは、別々のユーザーが実行した操作により、キャッシュデータベースに保存されているデータへの変更が、Virtual DataPort 8.0 と 7.0 で偶然同時に発生しないようにするためです。
キャッシュされているデータへの変更を伴う操作は、必ずバージョン 8.0 でのみ行ってください。
Virtual DataPort: バージョン管理用のリポジトリの作成¶
バージョン管理 (VCS) のサポートを使用する場合、Virtual DataPort 8.0 用のリポジトリを作成します。既存のリポジトリの再利用も、そのリポジトリにブランチを作成することもできません。これは、Virtual DataPort 8.0 の VQL ステートメントの一部が以前のバージョンでは動作せず、その逆もまた動作しないからです。
Data Catalog: 外部データベースでのカタログ/スキーマの作成¶
Data Catalog 7.0 で外部データベースを使用するように構成した場合、バージョン 8.0 用のカタログ/スキーマを作成します。
Scheduler: 外部データベースでのカタログ/スキーマの作成¶
Scheduler 7.0 で外部データベースを使用するように構成した場合、バージョン 8.0 用のカタログ/スキーマを作成します。