Denodo Platform 9 の変更点¶
ここでは、バージョン 9.0 (つまり、更新プログラムを含まない 9) の Denodo Platform で以前のバージョン (8.0) から変更された機能について紹介します。
Denodo 8.0 以前からアップグレードする場合は、以下をお読みください。
Denodo Platform と Solution Manager のすべてのモジュールに適用される変更¶
メタデータ/設定のエクスポートとインポート
重要
Denodo Platform または Solution Manager のインストール直後に、インストール後のタスク すべてのインストール環境への暗号化キーの複製 を実行してください。
これに従わないと、このインストール環境は 動作不能な状態 のままになる可能性があります。この手順を実行する前に、Denodo Platform のどのコンポーネントも 起動しないでください 。
バージョン管理
以前のバージョンと異なり、メジャーバージョンの名前は 9 であり、 9.0 ではありません。以前のバージョンではメジャーバージョンが 8.0 、 7.0 などでした。
更新プログラムは、日付指定ではなくなりました。代わりに、バージョンの 2 番目の「番号」が「更新プログラム」を表します。具体的には、 9.0 は更新プログラムを含まない 9 のインストール環境、 9.1 は 1 番目の更新プログラム、 9.2 は 2 番目の更新プログラムのようになります。これについては、1 番目の更新プログラムをリリースする際に詳細に説明します。
Web コンテナー
現在のバージョンは Tomcat 10.x です。Denodo 8.0 では Tomcat 9.x でした。
現在のデフォルトのメモリ容量は 2 ギガバイトです。Denodo 8.0 では 1 ギガバイトでした。具体的には、
-Xmx
のデフォルト値が 2 ギガバイトになりました。
Java 17
Denodo 9 には Java 17 が付属しています。Denodo 8.0 には Java 11 が付属していました。
Denodo Platform と Solution Manager のすべてのコンポーネントが Java 17 で動作するようになりました。ただし、引き続き Java 11 で動作するアプリケーションから Denodo JDBC ドライバーを読み込むことは可能です (Denodo 8.0 と同様)。詳細については、 サポートされている Java Development Kit (JDK) を参照してください。
メタデータをエクスポートする場合、カスタムポリシーに関連する拡張機能を作成するコマンドは常に
CREATE OR REPLACE JAR
であり、DROP
とそれに続くCREATE
ではありません。
SSL/TLS 構成
Denodo Platform の SSL 構成を、PKCS12 キーストアを使用して構成できるようになりました。以前のバージョンでは、 JKS 形式のキーストアのみを使用できました。その詳細については、「 Denodo Platform での SSL/TLS の有効化 」を参照してください。
Virtual DataPort¶
TLS 1.0 を使用したデータソースへのコネクションは、デフォルトで無効になっています。TLS 1.0 は長年にわたって安全ではないと考えられているため、ソースで依然として TLS 1.0 が使用されている可能性は低いです。Denodo 9 にアップグレードするプロセス中の 1 つの手順として、すべてのデータソースをテストします。したがって、この問題の影響を受ける場合はすぐに検出できます。データソースの中に依然として TLS 1.0 を使用するものがある場合、そのソースの管理者に連絡し、もっと安全なバージョンの TLS へのアップグレードを依頼してください。それが不可能な場合、Denodo サポートに連絡し、TLS 1.0 を有効にする手順を確認してください。
Virtual DataPort - セキュリティ
管理者以外のユーザーでも、
impersonator
ロールを割り当てられていれば、クエリを実行する際に他のユーザーになりすますことができるようになりました。この機能はデフォルトで無効になっています。有効にするには、以下のコマンドを実行します。SET 'com.denodo.vdb.security.allowImpersonateToRegularUsers' = 'true';
8.0 では、
impersonator
ロールを割り当てられている管理者ユーザーだけがクエリでなりすますことができました。VCS アクションで、デフォルトで、データベース間の依存関係のエクスポートがサポートされるようになりました。
Virtual DataPort - JMS リスナー
Denodo 9 では、JMS API が Jakarta Messaging API にアップグレードされました。この変更により、Denodo の以前のバージョンで動作する古い JMS コネクターが、Denodo 9 では動作しない可能性があります。たとえば、ActiveMQ 5.x のコネクターは API Javax JMS を実装していますが、これを、API Jakarta JMS を実装する ActiveMQ 6.x のコネクターに置き換える必要があります。
Virtual DataPort - ODBC データソース
Denodo 9 では、ODBC データソースを作成する機能は、デフォルトで無効になっています。数年前の Denodo 8.0 のリリース以降、ODBC データソースの作成機能は廃止されています。詳細については、「 ODBC ソースのサポートの有効化 」を参照してください。
Virtual DataPort - JDBC データソース
以下に示す JDBC ドライバーは、すでにサポートされていない古いバージョンなので、Denodo 9 では配布されていません。
Amazon Redshift ドライバーバージョン 1.x (クラスパス 'amazon-redshift')
Databricks ドライバーバージョン 1 (クラスパス 'databricks')
Oracle 12c ドライバーバージョン v12.2.0.1 (クラスパス 'oracle-12c-v12.2.0.1')
Virtual DataPort - JDBC ドライバー
ドライバーのプロパティ idleKeepAlive の値が
true
になりました。以前のバージョンではfalse
でした。
Virtual DataPort - 他のデータソース
HTTP ルート を使用してデータソースを作成する場合、[Check certificates] オプションはデフォルトでチェックされています。以前はデフォルトでチェックされていませんでした。これは、システムをデフォルトで安全にするために役立ちます。これは、アップグレードプロセス中に以前のバージョンからインポートするデータソースには影響しません。
LDAP データソースで、TLS/SSL 経由の LDAP チャネルバインディングがデフォルトで有効になっています (現在の Java バージョンがすでにこの機能をサポートしているため)。この機能を有効にするために以下のコマンドを実行する必要はありません。
SET 'com.denodo.vdb.misc.datasource.LDAPDataSource.sasl.channelBindingEnabled' = 'true';
他の変更
Denodo で使用されるデフォルトのユーザーエージェントが、「Mozilla/5.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows NT 5.0)」から「Denodo」に変更されました。
事前定義されている委任可能な関数の挙動を、カスタム関数で変更できるようになりました。詳細については、「 アノテーションを使用したカスタム関数の作成 」を参照してください。
Denodo 8.0 以前のバージョンでは、Virtual DataPort が Linux 上で高負荷および特定のシナリオで動作する場合、環境変数
MALLOC_ARENA_MAX
を設定する必要がある可能性がありました。Denodo 9 では、Virtual DataPort がデフォルトでこの変数をMALLOC_ARENA_MAX=4
と設定するため、そのように設定する必要はなくなりました。ただし、必要に応じてこの環境変数を設定することは今でも可能です。Resource Manager: アクション[Stop Query action when the maximum number of rows returned has been reached] の行数制限に到達すると、クエリがエラーを返して失敗するようになりました。
Design Studio¶
VQL を依存関係とともにエクスポートする場合、デフォルトでは、他のデータベースに存在する依存関係も含まれます。
ビューおよびストアドプロシージャの [SUMMARY] パネルにある [Execution Panel] ボタンの名前が [Query] に変更されました。
[File] > [Export] ダイアログの [Include extensions and libraries] ラベルが [Include extensions, libraries and server configuration files] に変更されました。
これらの変更は、Administration Tool にも実装されています。
Scheduler¶
以下のプロパティは、Scheduler と Scheduler-Index のバックアップに含まれなくなりました。Denodo 8.0 からバックアップをインポートする場合、以下のプロパティは無視されます。
com.denodo.security.ssl.*
ComplexDataSource
Solution Manager¶
SSL 設定関連のプロパティは、名前が変更されました。現在は名前の末尾に
.secret
が付加されています(「 Solution Manager サーバーでの SSL/TLS の有効化 」を参照)。Solution Manager の SQL スクリプトは、
<SOLUTION_MANAGER_HOME>/scripts/solution-manager/sql
に置かれています。Denodo 8.0 では、それらのスクリプトは、<SOLUTION_MANAGER_HOME>/conf/solution-manager/sql
に置かれています。
Diagnostic & Monitoring Tool¶
Query CPU usage graph polling interval
の設定は、[User Configuration] -> [Threads Configuration] には含まれなくなりました。現在はデフォルトで 5 秒であり、構成できません。
ユーザーマニュアル¶
新しいユーザーマニュアル『 Virtual DataPort 管理ガイド 』が追加されました。このドキュメントの目的は、 a) Denodo Platform/Solution Manager の 1 つのモジュールだけでなく、さまざまなモジュールに影響する機能または b) インストールプロセスに関連しない機能を使用する手順について説明することです。以前のバージョンでは、そのようなページのほとんどは、『 インストールガイド 』の付録でした。
以前のバージョンでは、『 インストールガイド 』にさまざまなインストール後アクションが記載されていましたが、それらは実際にはインストールを完了するために必要ではなく、必要に応じて後で実行することが可能でした。バージョン 9 ではこれらのページは、複数のモジュールに関連する場合は『 Denodo Platform 管理ガイド 』に、それ以外は該当するモジュールの『 管理ガイド 』に、それぞれ移動されました。具体的には、「 Kerberos 認証の設定 」、「 SAP Java Connector のインストール 」、「 JMS コネクターをインストールしての、SOAP Over JMS を使用する JMS リスナーと Web サービスの作成 」、および「 Oracle Essbase 用コネクターのインストール 」です。