はじめに¶
高可用性と負荷分散がリクエストされる大企業は、データの増加に対処するために大規模なインフラストラクチャを構築する傾向があります。このようなインフラストラクチャは、地理的に分散した複数のクラスタで構成される場合があります。それぞれのクラスタは、クエリを処理する複数の Virtual DataPort サーバーで構成され、多くの場合はローカルキャッシュデータベースと、ジョブを実行してそのキャッシュを最新の状態に保つ Scheduler サーバーも含まれます。
また、サーバーのメタデータの新規バージョンにはそれぞれ独自のライフサイクルがあります。新規バージョンは、開発環境で作成されて複数の中間環境 (テスト、ステージングなど) に昇格され、最終的に本番環境に至ります。これらの各環境で最終的なインフラストラクチャを再現してみることはできますが、同じ規模で再現することはできません。
このようなシナリオでは、管理においてそれぞれ固有の問題に直面します。新規ライセンスのインストール、サーバーのアップグレード、メタデータの新規バージョンのデプロイといったシンプルなタスクであっても、一度に多くのマシンで実行するとなると、はるかに複雑になる可能性があります。
アーキテクチャ¶
Solution Manager は以下のコンポーネントで構成されており、これらのコンポーネントが連携して、管理者による Denodo Platform サーバーの管理をサポートします。
License Manager 。管理者が組織のすべての Denodo ライセンスを一元的に管理する場所です。
Solution Manager サーバー 。主な機能は次のとおりです。
Denodo Platform を AWS にデプロイする管理者の場合、Denodo サーバーを AWS に自動的にインストールできます。つまり、AWS EC2 インスタンスやロードバランサーなどを手動で作成して構成する必要も、個々のインスタンスに接続してさまざまな設定を構成する必要もありません。
開発者の場合、開発環境からその他の環境に変更を昇格する際に使用できます。たとえば、Virtual DataPort の新しいビューやビューへの変更を開発サーバーからテストサーバーに、そして本番サーバーに伝達する場合などです。
Solution Manager Administration Tool 。Solution Manager および License Manager の管理に使用する Web ツールです。
Virtual DataPort 。
Diagnostic & Monitoring Tool 。
Scheduler Administration Tool 。Denodo Platform のすべてのインストールの Scheduler サーバーを管理する際に使用する Web ツールです。
Design Studio 。データソース、基本ビュー、派生ビューの作成、Web サービスの公開などを行う開発者向けの Web ツールです。レイアウトは Virtual DataPort Administration Tool に似ていますが、これは Web ツールである点が異なります。Design Studio は組織のすべての Virtual DataPort サーバーに接続できます。
次の図は、組織に Denodo をデプロイするための推奨アーキテクチャを示しています。

組織に Denodo をデプロイするための推奨アーキテクチャ¶
このアーキテクチャでは、 開発 、 テスト 、 本番 という 3 つの環境が定義されています。組織に作業グループが複数あり、各グループが専用の Denodo サーバーを使用している場合は、これら 3 つの環境をグループごとに定義してください。ただし、ライセンスの管理には、組織全体で 1 つの License Manager を使用することをお勧めします。
Solution Manager には Virtual DataPort サーバーが 1 つ含まれ、これは次の 2 つの目的にのみ使用されます。
Diagnostic & Monitoring Tool および Solution Manager Administration Tool のユーザーを認証するため。構成はすべて Solution Manager Administration Tool から行いますが、その下層では Virtual DataPort が使用されます。
Diagnostic & Monitoring Tool がこの Virtual DataPort に一連のビューを作成して診断ファイルを分析するため。
この Virtual DataPort サーバーをもう 1 つの通常の Denodo インスタンスとして使用することはできません。
Design Studio、Scheduler Administration Tool、および Diagnostic & Monitoring Tool は Denodo Platform のインストーラーにも付属しますが、可能であれば Solution Manager に付属のものを使用してください。こうすることで、Solution Manager Administration Tool からツールを開く場合に、シングルサインオンによってすべての Denodo ツールに 1 箇所からアクセスできるというメリットを活用できます。
パフォーマンス上の理由から、Solution Manager は他の Denodo インスタンスと同じホストにインストールしないことをお勧めします。Diagnostic & Monitoring Tool は複雑なクエリを実行してログファイルを分析するので、同じホストで他の Denodo サーバーが実行されていると、それらのサーバーのパフォーマンスに影響する可能性があります。
License Manager のロール
Denodo コンポーネント (Virtual DataPort サーバーなど) は、起動時に License Manager に実行アクセス許可をリクエストします。これが承認されると、そのサーバーは起動し、その後も動作を続けるために定期的にアクセス許可をリクエストします。このアプローチの利点は、サーバーごとにライセンスファイルを用意する必要がないことと、IP アドレスによる制限がないことです。ライセンスでは、環境に応じた特定の制限事項に加えて、Denodo サーバーの同時実行可能数の制限のみが保持されます。
ライセンスをリクエストするのはサーバーコンポーネントだけで、クライアントアプリケーションはライセンスをリクエストしません。つまり、Virtual DataPort Administration Tool はライセンスを必要としないため、License Manager に接続しません。
エレメントの昇格に関する Solution Manager のロール
Denodo を使用した通常の開発ワークフローの手順は次のとおりです。
開発者が開発環境の Virtual DataPort サーバーおよび Scheduler サーバーでエレメントを作成または変更します。
開発者は Solution Manager Web ツールを使用して リビジョン を作成します。これを行うために、Solution Manager は開発サーバーに接続し、ユーザーがリビジョンに含めるエレメント (データソース、ビュー、Scheduler のジョブなど) を選択します。
管理者はリビジョンをレビューし、適切であれば、そのリビジョンをテスト環境の Denodo サーバーにデプロイします。
開発者はテスト環境で変更を再テストします。
管理者はリビジョンを本番環境にデプロイします。
このワークフローの詳細については、「 昇格 」を参照してください。