USER MANUALS


組み込み MPP の拡張実行トレース

組み込み MPP に対するクエリと他の JDBC クエリは実行トレースが異なります。組み込み MPP の実行トレースは従来の JDBC 実行トレースを拡張したもので、新しいノードとプロパティがあります。

Embedded MPP extended execution trace example

MPP Route Plan

MPP への各アクセスは、新しいノードである MPP Route Plan によってモデル化されます。このノードは JDBC Route Plan と同じで、クエリに関する同じ基本情報を表示します。

mppRoutePlan mppRoutePlanProperties

このノードの詳細については、「 実行トレース情報 」を参照してください。

MPP Execution Plan

MPP Execution Plan は、組み込み MPP で計画されたクエリの実行に関する情報を表示します。

mppExecutionPlan mppExecutionPlanProperties

このノードには、以下のプロパティがあります。

  • Elapsed time: 組み込み MPP がクエリを受信してから処理に要した合計時間。この時間は、[Queued time]、[Planning time]、[Execution time] の合計です。

  • Queued time: クエリが処理待ちでアイドル状態になっている合計時間。

  • Planning time: 組み込み MPP がクエリワークロードを計画し、各実行段階に配分するのに要した合計時間。

  • Execution time: 組み込み MPP がクエリの実行に要した合計時間。

  • Input rows: 組み込み MPP がクエリの処理中に消費したデータの行数。

  • Input data size: 組み込み MPP がクエリの処理中に消費したデータのサイズ。

  • Output rows: 組み込み MPP がクエリの処理後に Virtual Data Port に返したデータの行数。

  • Output data size: 組み込み MPP がクエリの処理後に Virtual Data Port に返したデータのサイズ。

  • Peak user memory registration: 組み込み MPP がクエリの処理中にユーザー領域に割り当てた最大メモリ量。

  • Peak total memory registration: 組み込み MPP がクエリの処理中に割り当てた最大メモリ量。

  • Resource group: クエリに適用され、そのリソースの使用を制限するリソースグループ。詳細については、 公式リソースグループのドキュメント を参照してください。

  • Stages: クエリが分割された段階の数。各クエリは、処理を並列化するために複数の段階に分割されます。段階は、トレース内で MPP Stage Plan ノードによってモデル化されます。

  • Total worker nodes: クエリの実行に関連する組み込み MPP クラスタのノード数。

MPP Stage Plan

MPP Execution Plan は、複数の MPP Stage Plan ノード に分割されます。N 個の段階は上から下、左から右に 0 から N-1 までの番号が振られ、 出力段階 (データを返す唯一の段階) は段階 ID が 0 の段階、ID N-1、N-2... の段階は通常データソースにアクセスする段階です。クエリは下から上、右から左に実行されるため、各段階では子段階から取得されたデータを処理します。ノード名は、その段階で実行される最も重要な操作を表します。

mppStagePlan mppStagePlanProperties

各ノードには、以下のプロパティがあります。

  • Stage ID: 段階を識別する数字。常に 0 から N-1 までの数字で、N は段階の総数です。

  • Status: 段階の処理状況。このプロパティには、以下の値があります。

    • FINISHED: 段階の処理が正常に終了しました。

    • ABORTED: エラーが発生し、段階の処理が停止しました。

  • Input rows: 段階で消費されたデータの行数。この数は、ノードの子段階の出力行と、データソースから取得した行の合計です。

  • Input data size: 段階で消費されたデータのサイズ。この数は、ノードの子段階の出力データサイズと、データソースから取得した行のサイズの合計です。

  • Output rows: 段階で返されたデータの行数。

  • Output data size: 段階で返されたデータのサイズ。

  • Worker nodes: 段階の実行に関連する組み込み MPP クラスタのノード数。

  • Operator pipelines: データを処理するためにデータに適用される一連の演算子。演算子は左から右の順に適用されます。

  • Operation nodes: データを処理するためにデータに適用される一連の操作。複数の操作を適用できます。

MPP Stage Plan の操作ノード

各 MPP Stage Plan では、データに適用される一連の操作を実行します。この一連の操作は、[Operation nodes:] プロパティで指定します。

operationNodesProperty

点の上にカーソルを置くと、操作ノードの階層が表示されます。

operationNodesExpanded

操作ノードは複数のカテゴリに分類でき、それぞれが 1 つの操作タイプに関連付けられます。

  • 集計ノード: 前の操作ノードから受け取ったデータに対して集計関数を実行する操作。

Aggregation node
  • フィルタノード: 前の操作ノードから受け取ったデータから、フィルタ条件に一致しない行を削除する操作。

Filter node
  • スキャンノード: データソースから行を取得し、それを別の操作ノードに送信する操作。

Scan node
  • 結合ノード: 前の操作ノードから受け取ったデータ間で 結合 操作を実行する操作。

Join node
  • 一般ノード: 操作ノードや段階の間でデータ交換などを行う小規模の単純操作。

Generic nodes

拡張実行トレースのエラー

組み込み MPP に対するクエリの実行中にエラーが発生した場合、関連する段階が赤で表示されます。

cancelledStagePlan cancelledStagePlanProperties

さらに、エラーを明確にする新しいプロパティが MPP Execution Plan に表示されます。

  • Error code: エラーに関連する数値コード。

  • Error kind: エラーの起点。

  • Error type: エラーの原因。

  • Exception: Presto の内部例外とスタックトレース。

Add feedback