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物理レイヤー

物理レイヤーは、データソースとのやり取りのうち、難度が高い部分の上位アーキテクチャレイヤーを抽象化します。また、共通メタモデルに従って、データソースのビジョンを提供します。

これらのタスクは、いわゆるラッパーを通じて実行されます。ラッパーは、ソースからデータを抽出し、取得した結果を解釈したうえで、Virtual DataPort メタモデルによって要求される形式で解釈結果をシステムに返します。さらに、ソースで許可されている範囲で、ラッパーからソースに対して情報の挿入、更新、削除を実行することもできます。

Virtual DataPort では、 ラッパー を使用することで、すべての外部ソースを一貫した方法で処理でき、それぞれのソースに固有の特性を考慮する必要がありません。Virtual DataPort 自体が提供する ラッパー のタイプは以下のとおりです。

  • リレーショナルデータベースラッパー: JDBC または ODBC を介してリモートデータベースからデータを抽出します。さらに、ソースで許可されている範囲で、ラッパーからソースに対して情報の挿入、更新、削除を実行します。

  • 多次元データベースラッパー: SAP BW、Mondrian、Oracle Essbase、Microsoft SQL Server Analysis Services などの多次元データベースからデータを抽出します。

  • Web サービスラッパー: SOAP Web サービスが提供する操作を呼び出してデータを抽出します。

  • XML ラッパー: XML ファイルにカプセル化されたデータを抽出できます。必要に応じ、特定の DTD またはスキーマを使用してこれらのファイルを検証できます。ローカルドライブにある XML ドキュメントへのアクセスや、HTTP または FTP などのプロトコルを介した XML ドキュメントへのリモートアクセスが可能です。このタイプのラッパーの一般的な用途として、REST Web サービス (RSS および ATOM の Web サービスなど) のインポートがあります。

  • JSON ラッパー: JSON 形式 (JavaScript Object Notation) のドキュメントからデータを抽出します。JSON 形式で出力を返す REST Web サービスにアクセスする場合に効果的です。

  • 区切り形式ファイルラッパー: CSV (Comma Separated Values) または同様の区切り形式ファイルからデータを抽出します。ローカルドライブにある CSV ドキュメントへのアクセスや、リモートの場所にある CSV ドキュメントへの HTTP または FTP を介したアクセスが可能です。

  • Excel ラッパー: Microsoft Excel ファイルからデータを抽出します。1 つまたは複数のワークシートや特定の範囲などからデータを抽出できるさまざまな構成パラメータがあります。

  • LDAP ラッパー: Microsoft Windows Server Active Directory などの LDAP ディレクトリにあるデータを抽出します。

  • BAPI ラッパー: SAP BAPI (Business Application Programming Interface) を呼び出して、SAP ERP などの SAP アプリケーションに保存されているデータを抽出します。

  • Salesforce.com ラッパー: Salesforce.com からデータを抽出します。

  • MongoDB ラッパー: MongoDB データベースからデータを抽出します。

  • カスタムラッパー: Virtual DataPort 管理者が提供する Java 実装を通じてソースからデータを抽出します。Virtual DataPort には API が用意されているので、ユーザーが特定のソース用に独自のラッパーを作成できます。カスタムラッパーを使用すると、ソースに対してデータの挿入、更新、削除を実行することもできます。

Design Studio では、これらのラッパーをすべて自動的に作成します。

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