Denodo Standard for AWS 8.0 - クイックスタートガイド
Denodo Standard は、エンタープライズデータを統合して企業向けデータサービスを提供する最先端のデータ仮想化プラットフォームです。Amazon Web Services (AWS) Marketplace 上で従量課金のサービスとして利用できます。Denodo を信頼し、データ仮想化技術として Denodo Standard for AWS をお選びいただきありがとうございます。
このクイックスタートガイドでは、Denodo Standard の概要と、AWS 上にデータ仮想化ソリューションを手早く構築する方法を説明します。
主な機能には、次のものがあります。
- Solution Manager: AWS 上の Denodo デプロイを自動で構成、作成、管理します。ワンクリックで開発環境、QA 環境、本番環境を作成できます。プラットフォームを自動でアップグレードすることや、アーティファクトを別の環境に反映させることもできます。
- Denodo Virtual DataPort: Denodo Data Virtualization のコアとなるエンジンです。あらゆるデータソースからのデータを統合し、あらゆる利用者にあらゆる形式で提供します。
- Denodo Scheduler: データパイプラインやキャッシュ読み込みなどのタスクをスケジューリングします。
- Denodo Data Catalog: 組織内のビジネスユーザーやデータサイエンティストなど、データユーザーに向けた「データマーケットプレイス」を実現します。
注: 開発用インスタンスは、Solution Manager とともに有料のサブスクリプションに含まれています。料金が発生するのは、本番環境とステージング環境で動作する Virtual DataPort サーバーに対してと、AWS によって Solution Manager と開発用インスタンスに適用されるインフラストラクチャのコストに対してのみです。
Denodo Standard の起動方法
前提条件
AWS アカウントを持っている必要があります。
お客様の AWS アカウントを運用する責任は、お客様にあります。
その AWS アカウントで Denodo Standard を起動できる必要があります。
Denodo Solution Manager Platform のインスタンスを起動するために、有効な鍵ペアが必要になります。それがない場合、または新たに作成したい場合は、https://docs.aws.amazon.com/AWSEC2/latest/UserGuide/ec2-key-pairs.html を参照してください。
セットアップ手順の中で、Denodo Solution Manager をインストールする VPC (仮想プライベートクラウド) とサブネットを選ぶ必要もあります。AWS アカウントで利用できる VPC とサブネットが複数あって、どちらを選ぶべきかわからない場合は、AWS アカウントのシステム管理者に問い合わせてください。
最初のステップ
AWS Marketplace にログオンし、Denodo Standard for AWS 8.0 の料金表に移動して、以下の手順で AWS Marketplace のサブスクリプションに登録します。
- [Continue to Subscribe] をクリックします。
- 次の画面で、利用規約を確認し、[Continue to Configuration] をクリックします。
- その次の画面で、AWS リージョンを選び、[Continue to Launch] をクリックします。
- 最後の画面で、[Launch] をクリックして、Denodo Solution Manager の構成と開始を行う手順に進みます。
Denodo Solution Manager インスタンスの構成と開始
Denodo Solution Manager Platform インスタンスを起動するには、付属の Cloud Formation テンプレートを起動して「スタック」を作成する必要があります。スタックとは、必要な AWS リソースをすべてまとめて、単体として管理できるようにしたものです。スタックを作成すると、Solution Manager を使用して Denodo 環境を構成、開始、管理できるようになります。
この場合、前の手順で [Launch] をクリックしたあとに、スタックテンプレートの選択を求められます。テンプレートは付属しているので、[Next] をクリックするだけです。
ここからは、次の手順に従って進めます。
- [Create stack] 画面で、次のように操作します。
- スタック名を入力します。
- VPC とサブネットを選びます。サブネットには、選択した VPC に属するものを選んでください。
- インスタンスタイプを選びます。
- 鍵ペアを選びます。
- 次のように、インスタンスのセキュリティグループを指定します。これにより、起動したインスタンスへのアクセスを許可する対象が決まります。
- インスタンスへのアクセスを許可する IP アドレスの範囲を指定できます。デフォルトでは、すべての IP からのアクセスを許可します。
- [Advanced Configuration] でカスタムセキュリティグループの ID を指定できます。このフィールドに値を設定すると、このセキュリティグループが使用されて、許可する IP の値は無視され、その構成がそのまま使用されます。アクセスを許可する推奨のデフォルトポートは、こちらで確認してください。
- セキュリティグループを指定しない場合、許可される IP が指定されたデフォルトのセキュリティグループがテンプレートによって自動的に作成されます。
- [Next] をクリックして次に進みます。
- [Configure stack options] 画面で、詳細なオプションが多数提示されます。デフォルト値を変更する必要はないため、[Next] をクリックして次に進みます。
- [Review] 画面で、構成手順の中で選択したオプションを確認します。どこも変更しない場合は、下部の [Create stack] をクリックします。
- スタックの作成が完了するには数分かかります。この処理の進行状況は [Events] タブで確認できます。
スタック作成の処理が完了したら、[Output] タブで次の値を確認します。
- Denodo Solution Manager にアクセスするためのプライベート URL: この URL は次の形です。
http://<private_ip>:19090/solution-manager-web-tool/Login
なお、アプリケーションの開始に多少の時間がかかるため、リンクが正しく動作し始めるまでに数分待つ必要があるかもしれません。サービスが完全に開始される前にアクセスしようとすると、接続エラーまたは「404 Not Found」エラーとなる場合があります。
- その他のドキュメントにアクセスするための URL: この URL は次の形です。
http://<private_ip>
この URL では、追加の資料へのリンクを確認でき、また一部の Denodo の管理作業に必要となる VDP Administration Tool のダウンロードもできます。
- 起動したインスタンスのインスタンス ID: この値は、admin ユーザーに対して Solution Manager Administration Tool にアクセスすることを許可するデフォルトパスワードです。できる限り早く、デフォルトユーザーと自動生成されたパスワードを変更することを強くお勧めします。こちらの方法で変更できます。
以下の情報にも留意してください。
- 起動されたインスタンスにパブリック IP アドレスが割り当てられるかどうかは、[Auto-assign ip settings] に選択したサブネットの設定によって変わります。
- VPN や他のネットワークソリューションを使用していることにより、自分のネットワークと AWS 内の VPC とが接続できる場合、出力タブに表示されるプライベート IP を使ってインスタンスにアクセスできます。
- パブリックサブネットでインスタンスを起動し、そのインスタンスにパブリック IP を使用してアクセスする場合、EC2 コンソールでインスタンスのパブリック IP を確認し、<private_ip> の値をパブリック IP で置き換えます。
AWS 資格情報を構成する
Solution Manager Administration Tool に初めてログインすると、自分のアカウントの AWS 資格情報の設定を求められます。
『自動クラウドモードのクイックスタートガイド』で、資格情報の作成方法と必要な許可を説明しています。資格情報は、あとから [Configuration] - [Automated Mode] - [AWS] 画面で設定することもできます。詳しくは、AWS 構成のドキュメントを参照してください。
クラスターの起動
Denodo Solution Manager 8.0 Platform には、3 つの環境とクラスターが事前に読み込まれています (開発環境、ステージング環境、本番環境)。
- 各環境には、次のようなデフォルトの構成があります。
- 対応するライセンスシナリオが割り当てられています。
- デフォルトで Solution Manager インスタンスと同じリージョンおよび VPC に配置されます。
- 各クラスターにも、次のようなデフォルトの構成があります。
- Solution Manager インスタンスと同じ鍵ペアとサブネット。
- デフォルトのインスタンスタイプ、EBS ストレージ、セキュリティグループ作成、インスタンス名のプレフィックスなどを持つ Virtual Data Port のインスタンスが 1 つと Denodo Scheduler のインスタンスが 1 つ。
クラスターの概要画面にアクセスするには、メインメニューでオプション [Environments] - [Overview] を選択します。すると、[Overview] 画面が開き、画面左側に Solution Manager カタログツリー、さらに 3 つの環境とクラスターも表示されます。事前定義のクラスターは、最初は [The cluster needs to be recreated] というステータスになっています。
AWS クラスターの管理と運用の詳細については、こちらの対応するドキュメントを参照してください。
Denodo Standard 8.0 の完全なドキュメントは、こちらにあります。
デフォルトクラスターを初めて起動する
デフォルトの環境とクラスターに構成された値を開いて確認し、用途に合わせて調整することをお勧めします。次にクラスターを作成して起動します。対応するクラスターの [Actions] 列の [Recreate] オプションを選択すると、クラスターが開始されます。
クラスター作成の進行状況を確認する場合は、対応する [Last Action] 列をクリックします。
デフォルトクラスターを編集する
任意でクラスターの構成設定を変更することもできます。
たとえば、クラスターのステータスが [The cluster needs to be recreated] または [Pending configuration] の場合、環境の VPC を変更できます (VPC を変更すると、クラスターのステータスが [Pending configuration] になります)。ステータスが [Pending configuration] になっているクラスターは、Solution Manager のカタログツリーで赤く強調表示されます。
ステータスが [Pending configuration] になっているクラスターがあるときは、クラスター構成を確認し、必要なものを変更します (たとえば、環境の VPC を変更した場合は、クラスターのサブネットを選択する必要があります)。他のクラスターメタデータ (鍵ペア、インスタンスタイプ、EBS ストレージ、自動スケーリングなど) も編集できます。
クラスター画面に必要な値を設定したら、変更を保存し、ダイアログで [Recreate now] オプションを選択します。
クラスターへの初めての接続
クラスターの作成が完了したら、画面左上の Denodo ロゴをクリックし、[My Applications] に戻ります。この画面は、自分の組織のすべての環境にある Denodo Standard のすべての Web アプリケーションへの一括窓口となります。ここで、Design Studio と Scheduler のモジュールにアクセスするリンクが表示されているはずです。
なお、AWS の Elastic Load Balancers でインスタンスが検証され、トラフィックがそこにルーティングされるまでには多少の時間がかかります。このため、新しいクラスターにアクセスできるようになるまで数分かかる場合があります。
この画面には、Denodo Standard のドキュメントへのリンクと、動画やチュートリアル、Denodo ナレッジベースへのリンクも表示されます。
任意: Denodo Solution Manager インスタンスにアクセスするためのカスタムのセキュリティグループを定義する
詳細なアクセスセキュリティ構成がある場合、用途に合ったルールを持つカスタムのセキュリティグループを使用できます。Solution Manager インスタンスへのアクセスと、Solution Manager インスタンスからクラスター内のサーバーへのアクセスを許可するには、いくつかのポートを開く必要があります。
Solution Manager インスタンスへのアクセスを許可するには、[inbound] ルールで以下のポート範囲を許可する必要があります。
- 19090: Solution Manager Administration Tool のポート
- 10090 ~ 10091: Solution Manager サーバー (サーバーを Solution Manager カタログに登録するなどのオペレーションに必要)、License Manager サーバー (サーバーでライセンスのリクエストと更新を行うために必要)
- 19443: Solution Manager Administration Tool の SSL ポート
- 22: SSH
- 80: インスタンスのクイックスタートガイドと、クライアントから Denodo Standard にアクセスするためのクライアントインストーラーにアクセスするための HTTP ポート
以下は、[outbound] ルールで許可することをお勧めするポートです。
- 9995 ~ 9999: Denodo Virtual Data Port のポート
- 7998、8000: Denodo Scheduler のポート
- 9090: Web コンテナーのポート
- 9443: Web コンテナーの SSL ポート
- 80: HTTP
- 443: HTTPS (更新に必要)
Denodo サポートのサブスクリプション
Denodo は、包括的なテクニカルサポートとテクニカルサービスのネットワークにより、お客様が Denodo Standard を活用できるように支援いたします。
- Denodo Standard サポートは、マーケットプレイスのサブスクリプションに含まれています。このサービスを使用するには、まずこちらで登録する必要があります。
- Denodo Standard for AWS プレミアムサポートは、すべての登録者が追加料金で利用できます。
- Denodo サポートサイト にアクセスして Web ベースのサポート、ソフトウェアの更新、DenodoConnects を利用できるようになることで、データ仮想化の利用体験が向上します。Denodo のバージョンアップグレードは、Amazon インスタンス間での移行が必要なため、含まれていません。
- 従来型のサポートチャネルだけでなく、Denodo の Community サイトのフォーラムである Q&A セクションに直接いつでも質問を投稿できます。このフォーラムではモデレーションが行われており、またデータ仮想化のプロフェッショナルや詳しい方々から助言を受けることができます。製品ドキュメント、ナレッジベースの記事、段階的なチュートリアル、ハウツービデオなどの技術資料なども利用できます。
お客様は、問題を Denodo にエスカレーションする前に、商業的に合理的な努力で問題を解決するものとします。Denodo は、商業的に合理的な努力でお客様をサポートし、どの Denodo Standard for AWS 製品の月次使用も最低限の商業的に合理的なレベルに達しないお客様に対するメンテナンスサービスおよびサポートサービスを拒否する権利を留保します。
追加のステップ
Denodo Standard を使用して AWS にデータ仮想化ソリューションを構築する準備が整ったところで、利用可能なすべての情報を確認することをお勧めします。
専門家が指導するトレーニングをご希望の場合は、いつでも弊社のトレーニングサイトで利用可能なコースを確認できます。
Denodo 8.0 Platform for AWS の利用を最短で始めるには、Denodo Professional Services の活用をお勧めします。