Denodo Standard for GCP 8.0 - クイックスタートガイド

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Denodo Technologies は、エンタープライズデータを統合し、企業向けデータサービスを提供するデータ仮想化市場をリードする企業として、Google Cloud Platform (GCP) 上で、従量課金制 (PAYG) 仮想マシン (VM) イメージとして、Denodo Standard を提供しています。VM イメージには、Google Cloud Platform Compute Engine との使用に最適化された最新バージョンの Denodo Standard が含まれています。

Denodo を信頼し、データ仮想化技術として Denodo Standard for GCP をお選びいただきありがとうございます。

このクイックスタートガイドでは、Denodo ソフトウェアの概要と、GCP 上にデータ仮想化ソリューションを手早く構築する方法を説明します。

Marketplace 商品の概要

この Denodo Standard for GCP は、Google Cloud Platform (GCP) アカウントに基づく従量課金 (PAYG) モデルをベースにしています。

Linux Server 用 Denodo Standard は、以下のもので構成されます。

  • Denodo Virtual DataPort (VDP): Denodo Data Virtualization のコアとなるエンジンです。あらゆるデータソースからのデータを統合し、あらゆる利用者にあらゆる形式で提供します。最大 5 つのデータソースに接続できます。
  • Denodo Scheduler: データパイプラインと、他のタスク間のキャッシュ読み込みをスケジューリングします。
  • Denodo Design Studio や Denodo VDP 管理ツールなどの管理および開発用ツール

以下のセクションでは、デプロイ方法を詳しく説明します。

注: この製品は、VM 上で VDP サービスを実行するために、Denodo License Server を塔載した Denodo Solution Manager は必要ありません。

Denodo Standard for GCP VM のデプロイメント

概要

GCP アカウントが必要です。お客様の GCP アカウントを運用する責任は、お客様にあります。お客様がご自身の GCP アカウントを使用して Denodo Standard for GCP PAYG VM インスタンスを作成し、起動できます。

GCP 上に Denodo Standard 環境を素早くセットアップするには、以下の手順に従います。

  1. Denodo Standard VM を起動する
  2. Design Studio にログインする
  3. ユーザーマニュアルを読む
  4. Denodo Admin Client をインストールする
  5. Denodo サポートに登録する

注: GCP インターフェイスは変更される場合があり、実際に表示されるオプションは、既存プロジェクトの有無によって異なります。

ステップ 1 - Denodo Standard VM を起動する

GCP Marketplace にログオンし、Denodo Standard 8.0 VDP 従量課金版ページにアクセスします。

[LAUNCH] ボタンをクリックします。

次に、Select a project または Create a project ページが表示されます。プロジェクト名を入力して [Organization] ドロップダウンから値を選択し、[Create] ボタンをクリックします。

そうするとデプロイメント構成が表示され、ゾーン、マシンタイプなどの値を選択できます。

マシンタイプの選択については、「ハードウェア要件」を参照してください。

後で VM の付属マニュアルにアクセスするために、[Firewall] セクションの [Allow HTTP traffic] チェックボックスを忘れずにチェックします。

[Deploy] ボタンをクリックします。

プロジェクトがデプロイされ、新規仮想マシン (VM) インスタンスの実行が開始されるとすぐに、以下のサービスが自動的に開始されます。

  • Denodo VDP サーバー
  • Denodo Design Studio Web ツールにアクセスするための Denodo Web コンテナー
  • 以下のセクションで説明するユーザーマニュアルにアクセスするための HTTP Web サーバー

ステップ 2 - Design Studio Web ツールにログインする

Design Studio では、開発者がデータソース、基本ビュー、派生ビューの作成、ウェブサービスの公開を行うための Web インターフェイスが提供されます。

Design Studio Web Tool の URL は次の形です。

http://<vm_ip>:9090/denodo-design-studio/

<vm_ip> は、デプロイした Denodo Standard VDP 仮想マシンの IP アドレスまたは DNS 名です。

ユーザー名は「admin」で、パスワードは、デプロイメント時に GCP Console に表示されたものです。

詳しくは「Design Studio のメイン領域」を参照してください。

ステップ 3 - ユーザーマニュアルを読む

Denodo Standard for GCP 仮想マシンインスタンスの実行が開始された後、実行中の Denodo Standard for GCP 仮想マシンインスタンスの Web サーバーにいくつかのマニュアルが提供されます。

マニュアルにアクセスするには、お使いのインターネットブラウザーで、GCP 仮想マシンインスタンスのパブリックインターネット名または IP アドレス (下のスクリーンショット) を参照するだけです。

http://<vm_ip>

<vm_ip> は、デプロイした Denodo Standard VDP 仮想マシンの IP アドレスまたは DNS 名です。

ステップ 4 - Denodo VDP Client をインストールする

キャッシュ構成、認証のセットアップ、ユーザー管理などの管理作業は、Virtual Dataport Administration Tool (デスクトップベース) という Denodo クライアントツールを使った場合のみグラフィカルに行えます。

それらの管理作業を実行できるように、GCP 仮想マシンインスタンス上で動作するサーバー (VDP) と、ローカルコンピュータ上で動作するクライアント (VDP 管理ツール) で構成されるクライアントサーバーアーキテクチャに従っています。

クライアントインストーラーは、実行中の GCP 仮想マシンインスタンスから配布されます。実行中の GCP 仮想マシンインスタンスの Web サーバーで説明されているインストール手順の中に、インストーラーへのリンクが記載されています。

VDP グラフィカル管理ツールを起動すると、GCP 仮想マシンインスタンス上のリモート Denodo Standard サーバーの接続詳細を要求されます。最初は、Google Cloud コンソールのパスワードを使用して、admin としてログインできます。Virtual Dataport Server として、「//<vm_ip>:9999/admin」と入力できます。<vm_ip> は、デプロイした仮想マシンの IP アドレスまたは DNS 名です。

詳しくは「Administration Tool のメイン領域」を参照してください。

ステップ 5 - Denodo サポートに登録する

Denodo は、包括的なテクニカルサポートとテクニカルサービスのネットワークにより、お客様が Denodo Standard を活用できるように支援いたします。

Denodo Standard for GCP プレミアムサポートは、ご契約者であればどなたでもご利用いただけます。このサービスを使用するには、まず弊社 Web サイトで登録する必要があります。登録後、Denodo サポートサイト にアクセスして Web ベースのサポート、ソフトウェアの更新、DenodoConnects を利用できるようになることで、データ仮想化の利用体験が向上します。Denodo のバージョンアップグレードは、GCP インスタンス間での移行が必要なため、ご利用いただけません。

Denodo の Web ベースのサポートは、時間単位のサブスクリプションの場合、可用性が低下することがあります。Denodo の Community サイトのフォーラムである Q&A セクションに直接いつでも質問を投稿できます。このフォーラムではモデレーションが行われており、データ仮想化のプロフェッショナルや詳しい方々から助言を受けることができます。Denodo Community は知識が豊富で粘り強く対応し、有効な回答を得られない質問はありません。製品ドキュメント、ナレッジベースの記事、段階的なチュートリアル、ハウツービデオなどの技術資料なども利用できます。

デプロイ後の任意のステップ

VM インスタンスへの静的外部 IP アドレスの割り当て

VM インスタンスには、エフェメラル外部 IP アドレスが割り当てられています。静的外部 IP アドレスが必要な場合は、アドレスを静的なものに昇格して構いません。詳細はこちら

変更後に、Denodo VDP サービスを再起動する必要があります。

セキュリティ構成を確認する

GCP デプロイのセキュリティ向上のためにお勧めする任意の手順があります。

デフォルト VDP 管理パスワードの変更

新しい Denodo Standard 仮想マシンを構成する手順として最初に、デフォルト管理者パスワードを変更する必要があります。安全な環境で運用するためには、デフォルトパスワードの変更は大変重要です。

ファイアウォールルールの構成

GCP は、デフォルトでは新規仮想イメージの起動時にファイアウォールルールを作成します。ファイアウォールルールは、Denodo Standard に加えて、ssh (サーバー管理用) および http (インストールマニュアルおよびクライアントインストーラー用) が使用する必要があるかもしれないすべての TCP ポートを制御します。

デフォルト構成では、すべての IP アドレスからそれらすべてのポートに到達できるように設定されます。以下のようにファイアウォールルールを変更することを強くお勧めします。

  1. Denodo クライアントインストーラーのダウンロードを含め、インストール手順の完了後に HTTP ポートへのアクセスを削除する。
  2. 一般にアクセス可能にするのではなく、許可される IP アドレスの範囲を管理し、そこからのアクセスのみを許すように、残りのファイアウォールルールを構成する。

それには、『GCP 入門ガイド』の「ファイアウォールルール」に記載の手順に従ってください。

Denodo Standard のモジュールで使用される既定のポート」のリストを確認してください。

パブリック Web サーバーの無効化

現在接続中の Denodo インスタンスは、インストールマニュアルおよびクライアントインストーラーをホストするために、パブリック httpd サーバーを使用しています。GCP 仮想マシンインスタンスのセットアップおよび Denodo クライアントのインストールが完了したら、パブリック Web サーバーを無効にすることが推奨されます。これは以下の 2 ステップで行えます。

  1. ssh を使用して Denodo インスタンスに接続します。
  2. ssh からリモートコマンドラインを開いた後、以下のコマンドを入力して httpd サーバーを無効にします。

sudo systemctl stop httpd
sudo systemctl disable httpd

Denodo の通信の保護

クライアントと GPC インスタンス上で動作する Denodo Standard サービス間のセキュアな通信を確保するために、『Denodo Standard インストールガイド』に記載の指示に従ってください。

Denodo サービスの開始と停止

Denodo Standard for GCP には、以下のサービスが含まれています。

  • VDP
  • Scheduler サーバー
  • Scheduler Web Admin
  • Design Studio

不要なサービスによってインスタンスに過負荷をかけないようにするために、上記サービスの一部はデフォルトでは実行されません。開始することにした場合、停止手順と同様の方法で行えます。

  1. ssh を使用して Denodo インスタンスに接続します。
  2. 接続したら、インスタンスでターミナルを使用して以下のコマンドを実行して、Denodo サービスを開始または停止します。

sudo systemctl [start | stop] [vqlserver | schedulerserver | scheduler_webadmin | designstudio | datacatalog | diagnosticmonitoringtool]

また、以下のコマンドにより、これらのサービスをインスタンスの起動時に自動的に開始するように構成することもできます。

sudo systemctl enable [vqlserver | schedulerserver | scheduler_webadmin | designstudio | datacatalog | diagnosticmonitoringtool]

scheduler_webadmin は schedulerserver が実行されている必要があり、designstudio は vqlserver が実行されている必要があることを考慮してください。

VDP のメモリ割り当て

Denodo Standard for GCP は、仮想マシンインスタンスの初回起動時に、インスタンスのメモリサイズに応じて Virtual DataPort Server (VDP) のメモリ割り当てを自動的に構成するため、ユーザーが値を設定する必要はありません。

この自動メモリ割り当てが想定シナリオに最適でない場合、いつでも独自のメモリスキームを設定できます。以下の手順に従います。

  1. VDP サーバーを停止します。

sudo systemctl stop vqlserver

  1. ファイル VDBConfiguration.properties を開いて編集します。

sudo -u denodo vim /opt/denodo/denodo-platform-8.0-linux64/conf/vdp/VDBConfiguration.properties

  1. プロパティ java.env.DENODO_OPTS_START を、想定ユースケースに最適な値 (例えば 2 GB) で更新します。ただし、Xms パラメーターと Xmx パラメーターは同じ値である必要があります。

java.env.DENODO_OPTS_START=-server  -Xms4096m  -Xmx4096m  -XX:+DisableExplicitGC

                -XX:+UseG1GC -XX:ReservedCodeCacheSize=256m

  1. スクリプト regenerateFiles を実行して、変更内容を適用します。

        sudo -u denodo /opt/denodo/denodo-platform-8.0-linux64/bin/regenerateFiles.sh

  1. VDP サーバーを再起動します。

        sudo systemctl start vqlserver

追加のステップ

GCP にデータ仮想化ソリューションを構築する準備が整ったところで、利用可能なすべての Denodo 情報を確認することをお勧めします。

専門家が指導するトレーニングをご希望の場合は、いつでも弊社のトレーニングサイトで利用可能なコースを確認できます。

Denodo Standard for GCP の利用を最短で始めるには、Denodo Professional Services の活用をお勧めします。